こんにちは。
群馬県全域(伊勢崎市、太田市、館林市、桐生市、前橋市、高崎市など)、埼玉県の一部地域(本庄市、深谷市)で健康保険を使った訪問リハビリ・訪問マッサージをおこなっている、ぐんま訪問リハビリセンターです。
今回は、当社の利用者様の事例をお伝えいたします。
その利用者様(以後S様とします)は脳梗塞後遺症で右上下肢マヒ・障がい者認定1級を持っている方でした。
S様は当社にご依頼された時は歩くのもままならない状態でしたが、4年間、訪問リハビリ・マッサージを週4回受けて、ご自分でもリハビリを頑張られた結果、自転車にも乗れるようになり今では社会復帰する事ができるようになりました。
今回は、脳梗塞右マヒ・障がい者1級という状態から、社会復帰されたS様がどのようなリハビリを行っていたかをステップ・バイ・ステップでご説明させていただきます。
ステップ1:体幹や四肢の柔軟性、筋力強化
まず、ステップ1でやるべきリハビリトレーニングは体幹や四肢(上半身・下半身)の柔軟性や筋力の強化です。
(※体幹とは腹筋や腰回りの胴体部分を意味します)
よくある間違いとして、「すぐにでも歩けるようになりたい!」と気持ちだけが焦ってしまい、筋力も落ちている状態で歩く練習だけをやりたがる方がいます。
ても、基礎体力が無い状態で歩く練習だけをやっていても歩けるようにはなりません。
歩けるようになったとしても、ふらついてしまうなどの不安定な歩行となってしまいます。
S様の場合も、急がば回れで最初の頃は、体幹・四肢の筋力強化をメインで行いました。
また、股関節などが固い状態ではスムーズな歩行もできませんので、柔軟性も併せて向上に努めました。
具体的に行ったメニューとしては、主に下記の3つです。
①起立着席運動
車イスなどに座った状態から、立ち上がるのを繰り返す運動です。
スクワットに近い運動になります。
下肢の筋力強化に極めて効果の高い運動です。
筋力強化という観点で見ると、歩行訓練よりも起立着席運動の方が下肢の筋力を強化します。
筋力強化という視点で、あえてリハビリの優先度の順位をつけるのであれば、
座位<歩行訓練<起立着席運動
となります。
基礎トレーニング段階では最も重視してほしいリハビリトレーニングです。
※起立着席運動ができない方の場合は、ベッドに横になった状態で足を伸ばす運動をします。抵抗をかける事と自分で動かしてもらう事により筋力強化を図ります。
②腹筋運動
腹筋も体幹を強化するうえで大切なトレーニングです。
③腰上げ運動
仰向けに寝た状態で、足を抑えてもらい下記写真のように腰をグッと上に持ち上げる運動です。これも胴体部分の体幹を鍛えるトレーニングです。
このように最初は、基礎的なトレーニングを行う事により、歩行の際に重要となる、四肢の筋力強化や転倒しないためのバランス力(体幹)を鍛える事が重要です。
ステップ2:寝返りや起き上がり、四つん這いなどの動作を繰り返し行い、四肢や体幹の連動性を高める
ステップ1で四肢や体幹の筋力強化をして、体力がついてきたら次のステップでやるべき事は、四肢や体幹の連動性を高める事です。
筋力を強化するだけでは、身体は上手く使えるようになりません。
強化した筋力を上手く使えるようになるためのリハビリが今回のステップ2で取り上げる3つです。
このステップ2で行うべきリハビリトレーニングは主に下記の3つです。
①起き上がり運動
ベッドから起き上がる動作を繰り返します。身体全体の連動性を高める運動です。
②寝返り運動
ベッド上で寝返りを繰り返す運動です。
寝返りも四肢や体幹の連動性を高める上で効果的なトレーニングです。
③四つん這い
四つん這いになって廊下を歩く運動です。
転倒の危険性も少なく、筋力強化・連動性の強化も図れる一石二鳥のトレーニングです。
このステップ2では、筋力強化と並行して、四肢や体幹の連動性を高めるトレーニングも取り入れる事で身体の使い方を覚えさせます。
ステップ3:膝立ち、片足立ち、平行棒を使っての横歩きなどで転倒しないためのバランス力、歩行の安定性を高めます。
ステップ1のトレーニングで四肢の筋力強化、体幹の筋力強化を図りました。
ステップ2のトレーニングでは、身体の連動性を高める事を目的としました。
そして、ステップ3では、より実践的なリハビリを行います。
特に、転倒しないためのバランス力強化や歩行の安定性を高める事を目的とした実践的なリハビリメニューを組みます。
①膝立ち
片膝で立ってその姿勢を維持する運動です。
バランス力を向上させるために効果的。
②片足立ち
片足で立つ運動です。
これもバランス力を向上させるのに役立ちます。
③平行棒を使っての横歩き
平行棒を使って横歩きをする運動です。
バランス力を向上させるのに役立つと言われています。
バランス力を向上させることで歩行が安定します。
上記のようにステップ3では、実際に歩く練習をするにあたって、転倒しないための練習とも言えます。バランス力を向上させることで歩行が安定化しますので必ず取り入れてほしいリハビリです。
ステップ4:実際に歩く練習をしたり、階段や坂道なども歩く事で歩行能力を高めます。
ここまでのステップを踏んだら、あとは、実際に歩く練習を取り入れます。
転倒をして大腿骨や腰部を骨折してしまうと寝たきりになってしまうリスクが高まりますので、転倒に気をつけるのは絶対条件です。
最初は段差が少ない家の廊下などで歩く練習を行います。
慣れてきたら外を歩いてみたり、階段、坂道にもチャレンジする事で歩行能力が高まります。
脳梗塞右マヒ・障がい者1級の状態から社会復帰されたS様も、このようなステップを着実に踏んでいって1人で歩けるようになるまで回復され、現在ではリハビリを卒業し、会社に通っておられるようです。
今回の記事を読んでいただき、焦らず、1つ1つ段階を踏む質の高いリハビリを行っていただき、1人でも多くの方のADLが改善されることを願っております。
ぐんま訪問リハビリセンター
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